
熟年夫婦のライフスタイルとして「卒婚」を5年前、ライターの杉山由美子が紹介した。今までの生き
方をリセットして、離婚するのではなく自分を取り戻し自身の考える方向へ進んで行くのである。
我が夫婦一緒になるのは、7時の朝食の時だけが多い。家人は手早く掃除を済ませ「友達に逢っ
てからボランティアだから」「昼食は?」「勝手に食べておいて」と、いとも簡単に家を出て行った。
「待ってました」とばかり、洗濯を済ませパソコンに向かいメールのチェックやブログ制作に取り掛かる。午後は、菜園の手入れと忙しい。夕食の支度を終え食事は焼ハイ片手にテレビを見て眠くなった頃に,家人は帰宅する。後は、別の部屋で「別寝」である。
二人が、家庭内で別行動を始めて10余年、一応「お互いの過ごし方に、口をはさまない」との不文律はあるものの、場合によっては一触即発の危険な関係でもある。ただ、{今しかない」と言い聞かせて楽しんでいる。
すぐに来る「老老介護」「老認介護」へとなる直前に「卒婚」を終えて「続婚」と相手を惚れ直して感謝の念を持ち続け、穏やかな終わりを迎えたいものである。
注)この文は、所属する団体の会報誌「北の灯」に投稿した内容と同じです。